
ミッドライフクライシス(中年の危機)の概要
カナダの精神分析学者エリオット・ジャックが提唱した「ミッドライフクライシス」は、30代後半から50代にかけて、自分の生きる意味や人生の目的を問い直す心理的な危機を指します。80%以上の人が経験するとされ、放置すると深刻な精神的痛みに繋がる可能性があります。
原因と特徴
ミッドライフクライシスの主な原因は以下の通りです:
(1)自分の人生の頂点が見えてくる
(2)病気が発見され、病気との闘いが始まる
(3)酒・賭け事・不倫…自分でコントロールできないことにのめり込む
(4)下り坂の向こう側に、遠くではあるが死が見え始めている
(5)自分探しが終わらない
(6)子どもが自分の元から巣立ち、「空の巣症候群」に陥る
(7)過度なストレスを抱えたまま、オーバーワークを続けている
(8)人生をうまく乗り切った人が初めて「つまずき」と向き合う
(引用: 鎌田實『ミッドライフ・クライシス』)
ミッドライフ・クライシス 80%の人が襲われる“しんどい”の正体/青春出版社/鎌田實心理学者ユングやレビンソンは、この危機を中年期における一般的な現象としています。
男女別の影響
- 男性: 成功を収めても満足感を得られず、体力や記憶力の衰え、職場でのプレッシャーを感じます。死や老いへの実感が深まり、人生の意味を問い始めます。
- 女性: 子育ての終わりや子供の自立後、「空の巣症候群」に近い喪失感を抱き、人生の意義に疑問を感じます。
頑張った人であれば、若い頃目指した所に到達してしまい、仕事でも家庭でも満足しているのに「何かが違う」と感じます。「一生懸命努力して、金も財産も築いたけど、 人生ってこんなものなのかな?」と妙な虚しさを感じたり、「これが本当に自分の求めていたものなのだろうか?もっと他にやりたいことがあるはずだ」と、心のささやきが聞こえます。
有名人の事例
ロシアの作家トルストイもミッドライフクライシスに直面し、名声や財産を手にしても生きる意味を見出せず、10年間執筆を中断。後に『懺悔』を著し、生きる目的を再考しました。
よくある誤った対処法
- 突発的な趣味(大型バイク、不倫など)への傾倒。
- 仕事やライフスタイルの急な変更。
これらは一時的な気分転換にしかならず、根本的な解決には至りません。
本質的な解決法
ミッドライフクライシスの核心は、生きる目的や意味を見失うことにあります。そのため、「人生の再定義」や「生き方を変える」だけでなく、本当の生きる目的を見出すことが必要とされています。

