【要約】人生の経営戦略――自分の人生を自分で考えて生きるための戦略コンセプト20【山口 周】

人生の経営戦略 自分の人生を自分で考えて生きるための戦略コンセプト20 [ 山口 周 ]

人生は「いつも幸せ」な状態を目指すゲーム


この動画は、著作家・経営コンサルタントの山口周氏の著書『人生の経営戦略』に基づき、予測困難な現代で「思い通りにならない人生をどうにかしてうまくいかせる」ための戦略を解説しています。

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人生の最終目標:”いつも”幸せな状態

  • 人生の目標は「いつか」ではなく「いつも幸せな状態(ウェルビーイング)」を築き、いつ死んでも「自分らしい良い人生だった」と思えるように生きること。
  • 人はいつ死ぬかわからないため。老後や将来のために「今」を我慢しすぎると、いざその時がきても健康や体力などの問題でやりたいことができない可能性がある。

まず、山口周氏は人生における究極の目標設定が重要だと説かれています。会社経営やマラソンと同様に、人生も明確な目標がなければ進むべき方向を見失ってしまいます。
本書で提唱される目標は、「いつか幸せになる」のではなく、「”いつも”幸せな状態(ウェルビーイング)を築き上げること」です。そして、いつ人生の終わりを迎えても「自分らしい、良い人生だった」と心から思える生き方を目指すべきだと強調します。
なぜ「いつも」なのか。それは、私たちの死は予測不可能だからです。将来のためにと「今」を犠牲にし続けても、いざ老後を迎えた時に健康や体力の問題で望んでいたことができなくなったり、あるいは事故や病気で突然人生が終わったりする可能性は誰にでもあります。
だからこそ、先延ばしにせず、常に満たされた状態を意識することが肝要なのです。

幸せ(ウェルビーイング)の3要素

  • 常に幸せな状態を維持するには、以下の3つの資本(要素)が重要。
    1. 自己効力感:
      自分には能力があり、それを使って誰かの役に立っているという感覚。
    2. 社会的繋がり:
      職場、友人、家族など、良好な人間関係を築けている感覚。
    3. 経済的安定性:
      多少のことがあっても生活を維持できる経済的な安心感(金融資産などによる心の余裕)。

では、その「いつも幸せな状態」を維持するためには何が必要なのでしょうか。著者は、幸福に関する研究を分析し、『3つの重要な資本(要素)』を挙げています。
一つ目は「自己効力感」です。
これは、自分には物事を成し遂げる能力があり、その能力を活かして誰かの役に立っている、社会に貢献しているという実感のことです。仕事であれ趣味であれ、自分の行動が他者に良い影響を与え、喜ばれる経験は、私たちの幸福感の根源となります。
二つ目は「社会的繋がり」です。
職場の人々、友人、家族など、他者と良好で安定した人間関係を築けているという感覚は、幸福度に最も大きな影響を与える要素の一つとされています。孤独は心身に悪影響を及ぼしますが、豊かな人間関係は人生を彩り、困難な時の支えとなります。
三つ目は「経済的安定性」です。
これは、単に収入が多いことだけを指すのではなく、病気、失業、物価上昇といった予期せぬ出来事に見舞われても、生活を維持していくことに過度な不安を感じない状態、つまり金融資産などに裏打ちされた心の余裕を意味します。

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人生は「時間を資本に変えるゲーム」

  • 人生は、有限な「時間」という資源を、上記の3つの資本『人的資本、人間関係資本、金融資本』に交換していくゲームである。
  • 時間を何に使うか(仕事、学習、人間関係、資産形成など)を戦略的に考える(=筋の良い時間の使い方をする)ことが重要。筋の悪い使い方をすると、時間だけが過ぎて何も得られない結果になりかねない。

これらの3つの資本(人的資本、人間関係資本、金融資本)を手に入れるためには、対価を支払う必要があります。その対価こそが、私たち全員に平等に与えられた資源、すなわち「時間」です。
人生とは、この有限な「時間」を、先の3つの資本にいかに効果的に交換していくかというゲームであると捉えることができます。だからこそ、会社の経営者が資金の使い道を熟考するように、私たちも自分の時間の使い方、つまり「筋の良い時間の使い方」を真剣に考えなければなりません。
どの仕事に、どの学習に、どの人間関係に時間を使うかによって、10年後、20年後に手にするものが大きく変わってきます。筋の悪い選択をし続ければ、多くの時間を費やしても望む資本が何も手に入らない、という事態に陥りかねません。

資本獲得の優先順位:まずは「人的資本」から

  • 最初に優先して獲得すべきは「人的資本」、すなわち仕事のスキル・知識・経験。
  • 能力が高まれば、人脈(社会的繋がり)が広がり、収入も上がりやすく、結果的に経済的安定性にも繋がる。
  • 趣味(ギター、旅行など)も、幸福度に直接影響するため人的資本の一部として重要。

3最初に注力すべきは「人的資本」の獲得、つまり仕事におけるスキルや知識、経験を積み重ねて自身の能力を高めることだと述べています。
なぜなら、仕事の能力が高まれば、自然と周りに人が集まり、信頼を得て人脈(社会的繋がり)が広がりやすくなります。また、能力向上は収入アップにも繋がりやすく、結果的に経済的安定性(金融資本)の獲得にも有利に働くからです。
優れた能力を持つ人は、同じように優れた能力を持つ人々と協力し、より大きな成果を生み出す傾向があります。まず自分自身の価値を高めることが、他の資本を引き寄せるための基盤となるのです。
なお、ここでいう人的資本には、直接的な収入には繋がらずとも幸福度に寄与する「趣味」への時間投資も含まれます。

仕事選び:「楽しめて長く続けられる」ことが最重要

  • 高い専門性(人的資本)は一朝一夕には身につかないため、楽しめて、長く続けられる仕事を選ぶことが極めて重要。
  • 「知っている人<好きな人<楽しんでいる人」(孔子)。努力だけでは限界があり、楽しんで没頭できることが、抜きん出たスキル獲得と「いつも幸せ」な状態につながる。
  • 嫌いな仕事はストレスを生み、他の資本(人間関係、経済)にも悪影響。続ける自信がないなら早めの転換を検討すべき。

次に、その重要な「人的資本」を効果的に高めるための仕事選びについてです。
抜きん出たスキルや専門性は、短期間で身につくものではなく、長い年月をかけた継続的な取り組みによって培われます。したがって、「楽しめて、かつ長く続けられる仕事」を選ぶことが決定的に重要になります。
中国の思想家、孔子は「これを知る者はこれを好む者に如かず。これを好む者はこれを楽しむ者に如かず」と言いました。
つまり、努力しているだけの人よりも、そのことを好きでやっている人の方が強く、さらにそのことを楽しんでやっている人には敵わない、ということです。
嫌々ながら努力を続けても限界があり、精神的にも疲弊します。
仕事が苦痛であれば、「いつも幸せ」という目標から遠ざかるだけでなく、ストレス解消のための散財や不摂生につながり、結果的に人間関係や経済状態にも悪影響を及ぼしかねません。もし今の仕事が苦痛で、将来にわたって続けていく自信がないのであれば、特に若いうちに、別の道を模索することが賢明です。

レアな存在になる:「組み合わせ」で価値を高める

  • 特定の分野で天才的な才能がなくても、「楽しいこと」を仕事にする戦略がある。
  • それは、自分の持つ複数の要素(スキル、経験、興味など)を組み合わせて、ユニークで「レアな存在」になること。
  • 価値は需要と供給(希少性)で決まる。組み合わせによって「替えがきかない存在」になれば、競争を避け、自分のやりたいことで価値を生み出せる(ブルーオーシャン戦略)。
  • 組み合わせのヒントは、自分が長く続けてきたこと(時間を使ってきたこと)の中にあることが多い。

「楽しめること」が必ずしもすぐに収入に結びつくとは限りません。「好きなことだけでは食べていけない」と感じる人も多いでしょう。そこで重要になるのが、自分を「レアな存在」に見せる戦略です。市場における価値は、需要と供給のバランス、特に「希少性」によって決まります。多くの人が欲しがるけれど、数が少ないものは価値が高くなります。私たち自身も労働市場においては「商品」であり、高い価値を得るためには、他者にはない希少性を持つ必要があります。
そのための効果的な方法が、自分がすでに持っている複数の要素(スキル、経験、知識、興味、個性など)を独自に「組み合わせる」ことです。
例えば、特定の音楽ジャンルだけでなく、複数のジャンルを融合させて唯一無二の音楽性を確立したアーティストや、アスリートとしての経験と哲学的な思考を組み合わせた言論人のように、既存の要素を組み合わせることで、競争相手のいない独自のポジション(ブルーオーシャン)を築くことができます。この組み合わせのヒントは、自分がこれまで多くの時間を費やし、情熱を注いできたことの中に隠されている場合が多いです。

人生の「春夏秋冬」:時期に応じた戦略

  • 人生には季節のように、各時期に適した行動や戦略がある。
    • 春(0~30歳前後):試す
      失敗を恐れず挑戦し、自分の適性や興味を探る。
    • 夏(30~50歳):集中
      決めた分野に注力し、専門性と実力、人脈を築く。ここで大きな差がつく。
    • 秋(50~70歳):広げる
      培った能力や人脈を活かし、新しい仕事や後進育成、マネジメントなどを行う。
    • 冬(70歳~):与える
      経験や知識を次世代に共有し、人を繋ぎ、育てる。
  • この流れを知ることで、現在地と次にすべきことを客観視できる。

最後に、人生には「春夏秋冬」のようなサイクルがあり、それぞれの時期に適した行動や選択があるという視点が示されます。
「春」(0歳~30歳前後)は「試す」時期です。失敗を恐れずに様々なことに挑戦し、自分が何に興味を持ち、何が得意で、何が苦手なのかを知り、夢中になれるものを見つけるための模索期間です。
「夏」(30歳~50歳頃)は「集中」の時期です。「これだ」と決めた仕事や分野に時間と労力を集中させ、専門性を磨き、プロフェッショナルとしての実力と人脈を確立する重要な期間となります。この時期の過ごし方で、その後のキャリアに大きな差がつくことが多いです。
「秋」(50歳~70歳頃)は「広げる」時期です。これまで培ってきた能力や経験、人脈を活かして、新しいプロジェクトを立ち上げたり、後進の指導にあたったり、より広い視野で貢献していく段階です。
「冬」(70歳~)は「与える」時期です。蓄積してきた知恵や経験を次世代に伝え、人と人を繋いだり、若手をサポートしたりすることで、社会に還元していく役割が中心となります。
この人生の四季の考え方は、絶対的なものではありませんが、自分が今どの段階にいて、次に何をすべきかを客観的に捉え、キャリアプランを考える上で有効な指針となります。

結論:

このように、人生を戦略的に捉え、限りある「時間」という資源を、「自己効力感」「社会的繋がり」「経済的安定性」という3つの資本へといかに賢く投資していくか。そのプロセスにおいて、「楽しんで長く続けられる」ことを見出し、「組み合わせ」によって自らの希少価値を高め、人生のステージに応じた適切な行動を選択していくこと。これらが、予測困難な時代において「いつも幸せ」な状態を実現するための重要な鍵となるのです。

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